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[ ブログ ] 2024.06.27

横浜女学院さまと学ぶ。~森の循環ツアー!~

宮城県大崎市鳴子地区にあるエコラの森。
横浜女学院の教室で使われている机と椅子はこの森の木から作られています。
どんな森で育った木なのか、どのように加工されて学校に届くのか。
森の循環を体感する3日間のスタディツアーです。
・・・▶このツアーを引率する、もりたびの会のFacebookはこちら。 もりたびの会Facebook



 

1日目はNPO法人しんりんの活動拠点である「エコラの森」で行う伐倒体験。
木の命を頂く尊さをじっくりと学んで感じたあとは、いざ!森の中へ。
しんりんスタッフレクチャーのもと、チェンソーを使って伐倒と丸太伐り・枝払いを行いました。
チェンソーを初めて持つ子、刃が木に入る様子を見守る子。追い口まで刃が入れられたあとは
みんなで伐倒方向にロープを引っ張ります。終始、森の中で活気ある声に溢れ、仲間同士の連携が
生まれた時間でした。 ・・・・▶NPO法人しんりんFacebookはこちら。 NPO法人しんりんFacebook





 

2日目はKURIMOKU鶯沢工場と宝来(たからぎ)工場の見学。
伐採された丸太の製材の様子や、化石燃料を使用しない木材乾燥と薬剤を一切使用しない製品づくりの様子などを
見学しました。かつて小学校として使われていた場所に建てられた宝来(たからぎ)工場。
現在はこの校舎の中で家具製造が行われており、横浜女学院で使われている机や椅子なども
“杉”という素材を知り尽くした方々の手で丁寧に製作されています。また、建築用材や家具としての利用が不向きな
丸太も余すことなく、チップ化することで紙の原材料や木質バイオマスエネルギーとして活用がされているほか、
生産過程で発生するカンナ屑などはペレット化することで木を余すことなく使う取り組みが行われています。
写真やネットだけでは知りえない木材のカスケード利用の様子を実際にみることで興味を持つことができたと楽しんでいた様子でした。

・・・・▶(株)KURIMOKU Facebookはこちら。 KURIMOKUFacebook








午後からは、東北大学川渡フィールドセンターにて、生ごみから作られるバイオガスのお話を聞き、
森以外のエネルギー循環についても考えました。
地域の方からのお話もあり、研究と地域の繋がりもぐっと身近に感じる時間でした。





最終日は東北大学の青葉山キャンパスにあるナノテラスを見学しました。
地上にできた巨大な円盤型のナノテラスでは、太陽の約10億倍もの高輝度な放射光をつかって
ナノレベルのモノを可視化した、様々な研究・シミュレーションが行われています。
人間の目には見えないものや色も可視化することで、物質の構成や成分をハッキリと区別ができるそう。
こうして得られたデータは先のものづくりなどに活かされ、繋がって、ゆくゆく私たちの生活の中で循環していくのかもしれません。






午後からは女性研究者の久慈先生からキャリア形成についてのお話や工学部の研究室を見学。
はじめに医工学機器の開発をしている芳賀研究室の鶴岡先生のお話を伺いました。
ここでは血管や口から小腸へのカテーテル、身体に身に着けて使うような細い針、
波形解析による血圧計など、ミクロで精巧な医療機器の世界を体感することができました。
そして、田中真美先生の研究室へ。
ヒトが持つ指先の“触れる”“撫でる”“押す”などの触覚から得られる情報を基に、様々な実験を行い、
これを乳癌セルフチェック用センサーの開発やまた得られた情報は医師へ伝達するための提示システム
構築などへ活用がされているそうです。患者さんの肉体的・精神的な負担の軽減に役立つ希望の光だなと、
大変興味深いお話を伺うことができました。








こうして鳴子の森からスタートしたフィールドワークも終盤。
生徒さん方から3日間の感想を聞く事ができました。

・・・・感想の一部をご紹介させていただきます・・・・

・自然の偉大さ、林業の大変さ、木にも命がある。命の重さを学んだ。
・資源を無駄なく利用する重要さを知った。
・色々な場所でたくさんの人が環境やSDGsを意識した活動を行っている!私も知らず知らず
環境破壊に加担しているのかもしれない!と考えるきっかけになった。
・環境に配慮した方法で、家具や椅子が加工される過程を学んだ。
・研究室ではホワイトボードぎっしり数式が書かれていて、自分が授業で習っていることも
こうして活きているんだと知ったし、興味深いことが多かった。
・研究室を見学させていただいて、今後やりたい視野が広がった。大学の進路などが考えやすくなった。


他にも今回のツアーを通して、仲間との協調性の大切さや、受動的ではなく能動的に動く大切さなど
を実感する機会にもなったようです!
普段つかっていた机や椅子にもより愛着を持っていただき、この先も大切に使っていただきたいなと思います。


横浜女学院のみなさま、先生方。
関係者のみなさま、ありがとうございました。





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